育休しましょう

会社員の育休日記です

出産当日の上の子問題

こんにちは。
きょうは、今回の出産で初めて気が付いた問題に言及しておこうと思います。

 

まず前提として再確認しておきますが、現行の労働基準法では、男性は産前休業は取得できません。産前産後休業が、出産前後の女性のみ対象になっているためです。

昨年報道された改正育介法により、通称「産後パパ育休」が今年の10月1日から施行されます。しかし、これも取得時期は「子の出生後」となっているため、やはり産前には休業できません。

ちなみに女性には産前休業があり、予定日の6週間前から休業となります。その時点で持っている有給休暇を足して、産前は長めに休むというパターンも多いと聞きます。

 

今回初めて気付いた問題はタイトルの通りです。もっと正確に表現すると、「第二子以降の出産で、夫の就労中に妻に陣痛が来たら、第一子は誰が面倒を見られるの?問題」です。

妊婦が慌てて病院に駆けつけたとき、あるいはもっと切羽詰まって救急車を呼ぶとき、年端もゆかない第一子がいたらその子はどうなってしまうのだろうという懸念です。

 

 

もちろん予定日を過ぎていれば、男性が育休(あるいは産後パパ育休)を取得できますので、面倒を見る体制を組むことができます。

あるいは陣発が日中であれば、保育園に預けているので、妻は病院に向かい、夫は仕事から早退して第一子を迎えに行けます。これが実現できれば穴をあけずに済みますが、自治体によっては「親が産休・育休中の場合は第一子を預けられない」というルールのところもあると思います。ちなみに私たちの住む自治体は保育時間が短縮(通常で午後6時までのところを、午後3時30分まで)となるルールでした。

よって、私たちにとって一番問題となるケースは、予定日までの間、午後3時30分~午後7時ごろに陣痛が来ることでした。

 

人によっては在宅勤務だったり祖父母がリタイアしていたりで苦労なく乗り切れるところもあるでしょう。しかし、夫がもっと遅くまで仕事していたり、早退がかなり難しい業務だったり、出張や単身赴任やそもそも単身世帯だったり……などの理由から、もーーーっと大変なところもあるでしょう……。

 

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私たちはいくつか作戦を考え、それぞれについて調べてみました。

 

①病院が預かってくれるのでは?

出産する病院が、保育サービスを展開している場合があるようです。近隣の病児保育室などと連携しているというケースもありえそうです。

例えばこちらの医院は、事前の予約が必要ですが出産前後で24時間預かってくれるサービスを展開しています。お金は張りそうですが、保育者を確保できない妊婦への受け皿となりそうです。病児保育や二人目妊娠中の妊婦検診の際などでも預かることを想定しているようで、事業規模が大きい分、こうした緊急対応の体制も整えられるんでしょうね。

なお、私たちが出産した病院うちは保育機能は持っておらず、この作戦はNGでした。

 

②民間サービスがあるのでは?

民間企業が展開しているベビーシッターサービスの中には、当日予約で来てくれる場合もあるようです。そういうところに頼ってみるのもひとつの手だと思いました。シッターとの関係性や契約次第で、当日 緊急できていただくということもできるのではないかと想像しています。

私たちはいままで使ってこなかったということから、主眼としては検討しませんでした。

 

③親族が預かってくれるのでは?

身内、特に親たちは好意的に預かってくれるケースも考えられます。ただこれも、里帰り出産or来てもらうことが必要で、両家の親がいずれも現役として働いている私たちの今回のケースでは、出産日が流動的になる現状では難しいという結論になりました。

もし協力してくれる親族がいらっしゃるのであれば、かなり有効な手段だと思います。実家との関係性にもよるでしょうが、コスト面や対応柔軟性はかなり良いでしょうから。

 

④保育園が預かってくれるのでは?

事前に登録をすれば、緊急保育を受け入れてくれる自治体もあります。私たちは既にいっているため対象外ですが、そもそも保育園に行かず自宅保育をしている専業主婦世帯などにおいてはこれが助けになりそうです。

例えば東京都杉並区は、緊急一時保育という制度を展開しています。登録されている各保育施設に、通常定員とは別の保育受付枠が常時設けられており、そこに上の子を預かってもらえるのです。ただしこれは出産翌日からの対応となります。

出産当日の対応をしてもらおうと思うと、事前に保育園に入園してしまうのが良さそうです。多くの(おそらくすべての)自治体では、予定日の2か月前から、専業主フであっても保育対象者になります。この間に慣らし保育をし、上の子を預けられるように準備することができそうですね。とはいえ前半でも触れたように保育時間には限度がある可能性があるので、それぞれの園と相談する必要はありそうです。

なお、私たちの居住地では緊急一時保育は展開されていませんでした。保育枠に余裕を持たせるというサービス設計は、運営者にとっては平時の人員に余裕が生じ、ユーザーにとっても便利になるため、好ましい気がしますね。広がって欲しいものです。

 

 

ここまで書いたように調べたうえで、私たちが取ろうとした作戦は「延長保育(午後7時まで)の申請」「僕が第一子を送迎できる時間での出退社(午前8時30分~午後17時30分)を申請」というものでした。妻が第二子の緊急対応に注力できるよう、第一子の保育園周りを僕が全部対応しきるという作戦です。

要するに、第一子育児の負担が僕に集中し、またその結果として勤務先や保育園に迷惑をかけてしまう形です。しかし妊婦の出産に係るリスクを最低限に抑えることが望ましいと考えたので、これで進めようと腹を括りました。

 

……と、ここまで考えたうえで、私たちのケースは最終的にどうなったかと言いますと。勤務先で新型コロナ陽性者が複数名出たことから在宅勤務をするよう配慮いただいたことと、第一子の保育園が休園になったこと。このふたつに伴って、臨月の妻と、要保育段階である第一子に、僕が24時間付き添えることになりました。

しかしこれは本当に偶然です。新型コロナの影響がなければ、出産予定日までは怒涛の数日間を過ごすことになっていましたので、不幸中の幸いだったといって良いでしょう。

 

 

このようにシミュレーションして認識できましたが、これ本当に問題だと思います。

出生予定日からの育休は必須として、出生予定日前は有給休暇を使って予定を確保しておかないと、悲惨な事案に繋がりうると懸念します。僕も本当は有給休暇を使うのが最善でした。(使えない事情があったのですが……)

行政は「産前パパ育休」の制度化を検討して良いと思いますし、雇用主も予定日前は出張や長時間労働を控えさせるようにしなければならない(それを育介法で縛るのもアリ)と思いました。個人的に問題認識を持っていようと思います。